翻訳あれこれ

英文法クリニック 助動詞編 (1)

このコラムでは日本人がおかしやすい文法ミスを徹底的に解説します。練習問題にチャレンジしながら、英語のプロに求められる文法力を身につけましょう!

今回は助動詞編(1)です。


難易度☆初級

1) 下記の英訳文に間違いがあれば、直してください。

(原文)「人々は、政府が彼らの安全を保証するよう要求した。」

People demanded that the government would guarantee their security.





正解

「People demanded…と過去形の文だから、that節中の助動詞も過去形wouldになっていて、時制は一致している。正しい英文だ。」なんて考えた方はいませんか?いいえ、この文は間違っています。そもそも、demandの後のthat節に、wouldは使えないんですよ。この文は、以下のように直す必要があります。

People demanded that the government would guarantee their security.  
     ↓
People demanded that the government (should) guarantee their security.

demandや、insist、suggestのような、「要求、提案、決定」などを表す動詞に続くthat節内ではshouldが用いられます。また、このshouldはしばしば省略され、動詞の原型のみが残ります。この構文で使われる動詞には、以下のようなものがあります。

「要求する」系: insist、request
「提案する」系: advise、propose、recommend
「決定する」系: decide



難易度☆☆中級

2)下記の文章で、( )内の動詞の時制は、どちらが適切でしょうか?

I have no idea when he (will be / is) home.






正解
時や条件を表す副詞節の中で未来形は使わない」というルールをご存知の方は多いはずです。それで、「whenだから現在形だな」なんて、whenやif後の動詞は、自動的に現在形にしてしまっていませんか?しかし、このルールがあてはまるのは副詞節のときだけなんです。副詞節でない場合には、未来形が使われます。上記の文は、「彼がいつ帰るのか全く分かりません。」 という意味で、when以下は名詞節です。したがって、未来形のwill beが正解です。